「貝の成長」と「マルサスの法則」と「株のチャート」
・・・変化の法則を片対数グラフで見る・・・
はじめに
この前、対数グラフを学習した。これは、べき関数の変化が指数乗に比例している場合を見つけることだった。だから両対数グラフで表すと、比例している証拠に全て直線になった。
ところが、これまでも扱ってきた指数関数は両対数グラフでは直線にはならない。指数関数は片対数グラフで直線になる。ここで、直線にこだわっているのは、世界の変化は比例によって表されている(人間は比例しか認識できない)という理由からだ。そして、世の中の変化(法則)は、次の3つの関数によって表されている。
(A)べき関数 → 両対数グラフで直線になる関数。
例は、[63,ガリバー旅行記からゾウの時間ネズミの時間へ]
[65,ベキ関数からスモールワールドへ][72,比例で世界を読み解くことはできるか]を参考。
(B)指数関数 →片対数グラフで直線になる関数。
例は、[18,はまぐりの数学] [28,人口問題を調べてみよう]を参考。
(C)三角関数 → −0.1〜0.1の範囲では直線になる関数。
振動・リズム・繰り返しパターンを表す。フーリエ展開など。
これは変化していないと考えることもできる。
ここでは指数関数を片対数グラフで見直して、前の二つを統一的に見ることを試みてみよう。
1、経済の成長を関数で表そう
[問題1] 年間10%ずつの経済成長はどんな関数で表されるか。
T:たとえば、1000円から10%ずつ値上がりすると?
S:1000+1000×0.1=1100円だよ。2年目は1100+1100×0.1=1210円。
S:1100×(1+0.1)=1100×1.1の方が簡単だよ。
時間: 0 1 2 3 4 5 …
値段: 1000 1100 1210 1331 1464.1 1610.51
S:これをグラフにしてみよう。
S:だんだん急に上がっていくように見える。
T:ところがこれを片対数グラフで表すと一直線に表されます。なぜ片対数グラフだと直線になるのか。そのわけを考えるために、この変化を式で表してみよう。
S:以外に難しいな。Xが1年で10%はわかるけど、Xが1日ではどうなるのかわからないよ。
T:しかし、10%ずつの成長はエクセルでグラフを描くと明らかに一定の関数になるよ。
S:y=1.1Xとなるんじゃない。
S:いや、一年ならいいけど、二年目はそれをまた組み込まなくちゃ。
S:複利計算だよね。
S:そうすると、どういう式になるんだろう。
S:1年目は、受取額=元本×(1+年利)だから、次の年は、(元本×(1+年利))が元本で、受取額=(元本×(1+年利))×(1+年利)となるよ。2年目も同じように考えられる。
S:そうか、つまり、受取額=元本×{(1+年利)^運用年数}だ。
S:問題の場合だと、金額 y=1000×(1.1^x)
S:この場合、運用年数には少数も当てはまるんだろうか。
T:もし運用年数が1.5年ならどうなる?
S:1000×(1.1^1.5)=1000×(1.1^(1+0.5)}=1000×1.1^1×1.1^0.5=1000×1.1×√1.1となってちゃんと計算できるし、連続になりそうだよ。
S:グラフもさっきの計算とぴったり合うよ。
T:よし、これで10%ずつの成長の式が見つかった。では、成長率を年100%にするとどうなるだろう?
2、指数関数は増加率一定のグラフになる
[問題2] 年100%の成長は?
S:元本×(1+1.00)^x=元本×2^xだ。
S:式で書くと、y=k・2^x。
S:元本を1とすると、2,4,8,16,32,64,128,256,512,…と増えていく。
S:紙を半分ずつ切っていくときの枚数の増え方と一緒だ。
S:細菌が増加する時もこれでしょ。
S:y=k・a^x は増加率がいつも同じになるになるんですね。こういう関数って多いんですか?
T:そうだね。この関数は意外に多く、経済成長だけでなく、生物や人口の成長にも見られる。ねずみ講って知っている?
S:前にチェーンメールが来たことがあった。複数の口座のリストを掲げた電子メールに「リストのすべての口座に1,000円ずつ振り込み、リストの一番上の口座を削除して、あなたの口座を一番下に加えて順位を繰り上げて下さい。この新しいリストを多くの人にメールで送付すれば、あなたの口座に何倍ものお金が振り込まれます。」と書いてあったよ。
T:これは無限連鎖講といって、実際にこのとおりに増えていくと指数関数的に増加し、何代か後には膨大なお金が入ってくることになる。だけど、無限連鎖講防止法(開設等)ができて法律で禁止されている。くれぐれもひっかからないように。
S:送った人全部が振り込まなくてもそのうち2人の人が振り込んだらさっきのように倍々に増えていくのですね。
S:これは必ず儲かるよ。
S:おいおい、やばいよ。だいたい、人口は限りがあるから無限に続くわけがない。損をする人も指数関数で増える。
T:今度は指数関数で世界の人口を調べてみよう。
3、人口を片対数グラフで見ると・・・マルサスの法則
[問題3] 世界の人口は、毎年ほぼ1.7%の割合で増加していた。これは、どんな関数になるか?
S:受取額=元本×{(1+年利)^運用年数}だったから、ここに当てはめると、
人口=あるときの人口×{(1+増加率)^年数}
=あるときの人口×1.017^年数
S:例えば、1940年の人口を2,300,000,000人とすると、y=2,300,000,000×1.017^x
S:これを計算すると次のようになる。
年 yの値 実際の人口
1940 2300000000 2300000000
・・・
1950 2695658766 2556517137
1951 2738789306 2594315297
1952 2782609935 2636388259
1953 2827131694 2681738456
1954 2872365801 2729717908
1955 2918323654 2781183648
1956 2965016832 2834158518
1957 3012457102 2890001400
1958 3060656415 2946524167
1959 3109626918 2998875935
1960 3159380949 3040966466
1961 3209931044 3081748662
1962 3261289940 3137743692
1963 3313470580 3207262725
1964 3366486109 3278382111
1965 3420349887 3347361927
1966 3475075485 3417544528
1967 3530676692 3487234405
1968 3587167520 3559028982
1969 3644562200 3633608846
1970 3702875195 3708751360
1971 3762121198 3786142462
1972 3822315137 3862618859
S:大体合っているかな。
S:よく合う年代を取り出したといった方がいいね。
T:この式を導き出したマルサス(1766〜1834)は、いくつかの仮説を立てている。例えば人口増加率が一定であるという仮説だ。これに対して人口増加率は人口に比例して減少するという仮説もある。
S:マルサスって「人口は幾何級数的に増えるけど、食料は算術級数的に増えるので人口問題がおきる。」と言った人だね。
S:人口の増加は、その人口に比例しているというのは納得できるな。
S:死亡率も誕生数も人口に比例するということでしょう。
S:指数関数は、爆発的に増える時があるよ。
S:人口の爆発的増加だね。グラフで増え方を見るとすごいよ。
T:でも、最近は増加率が減少傾向にあるんだ。
S:ところで、「はまぐり」では貝の分類を角度でやったけど、この成長率を使えば同じように貝を分類できると思うんだけど。
T:いいアイディアだね。さっそくやってみよう。成長率で見る貝の分類はどうなるだろうか。
4、貝の成長率は瞬間における分泌量の割合だ
[問題4] 貝の成長率はどう求めたらいいのか?
S:貝の式は指数関数 r=ke^aθだった。kは元金、θは期間として、このeとaって何だろう?。
T:aは年利だよ。さっきの複利計算で、 (tは年数)
r(=元利合計)=k(1+a)^t
これは、1年で1回利息を組み込んで元利合計を出すものだけど、年に2回利息を組み込むとすれば、
r=k(1+a/2)^2t …利率は半分になるよ
こうした方が1回の時よりも元利合計は多くなる。さらに、年10回にすれば、
r=k(1+a/10)^10t
こうやって回数を増やしていき、p回利息を組み込んだとすると、
r=k(1+a/p)^pt
=k(1+a/p)^(p/a)at=((1+a/p)^p/a)^at ここで、p/a=nとする。
=k((1+1/n)^n)^at このとき、nを無限回にするとどんどん大きくなるみたいだけど、なぜか一定の値eになる。
⇒ke^at
S:つまり、年に1回だけ利息を元金に組み込むのではなく、連続的に組み込んだ時の値ということですね。
S:さっきの成長率の式と比べよう。
e^ax=(1+q)^x とすると
(e^a)^x=(1+q)^x だから
e^a=(1+q) となり、
aの値から年利率(成長率)qが求まることになる。
S:右のグラフのように貝の角度はわかっている。サザエは100度だったから、
a=tan(100−90)=0.176。 e^0.176=1.192
a(年利) q(年利) 角度
サザエ 0.176 0.193 100
あわび 0.577 0.781 120
はまぐり 1.19 2.29 140
ホタテ 1.73 4.65 150
S:aとqはどう違うの?
S:aは連続して利息を組み込んでいる場合。qは年に1回。
S:サザエは年間に、自分自身の19%の割合で成長しているということ?
S:ホタテってすごい成長率じゃない。4倍以上の割合で成長しているの?
T:信じられないからインターネットで成長を調べてみた。単位はp。
年 : 1 2 3 4 5 6 寿命
ホタテ : 6 10 12 13 10〜12年
はまぐり: 1 3.2 4.4 5.5 10年
サザエ : 2.5 4 6 8 10 11 10年
T:これを見ると、ホタテの成長率は大きいけど、どれも指数関数で成長していない。
S:私は体の大きさに見合ってカルシュウムを分泌するから、成長も指数関数になっていると思っていた。
T:私もそう思っていた。以前、蚕の成長を調べてみたけど、蚕は(脱け殻の長さが)指数関数で成長していた。でも、貝は指数関数で大きくはならない。ところが、形を表す式は指数関数になっている。なぜだろう?
S:右のグラフでいうと、赤いらせんの式で角度θをx軸に取れば青いグラフになる。赤は形で、青は貝の大きさを示している。
S:長さが大きくなれば、体積は長さの3乗倍大きくなる。それを考えれば、指数関数になっているのでは?
S:もしかして、θを時間と考えるのがおかしいのでは?。θは角度でしょ。
T:そうだね。人口や経済の場合は、増加率が一定だと、ある時から爆発的に増える。でも、貝は途中で成長を緩める。貝は経済とは違う。
S:じゃあ、貝の成長の指数関数は何を表しているの?
T:それは、df(x)/dxがf(x)と比例していると考えれば良い。貝が、ある短い時間dxに分泌するカルシュウムの量はdf(x)。その割合は、自分自身の大きさf(x)に比例している。しかし、それを続けて分泌しているわけではない。でも、形は常に自分自身と同じ形になる。
S:体の大きさに比例して短い時間に分泌する量を決めているから形は指数関数になるけど、それを継続的に行っているわけではないから、成長の大きさが指数関数になるわけではないということですね。
T:そうだね。そして、貝の場合は成長率ではなく、その瞬間の分泌量の割合を表しているのかもしれない。
S:そうすると、aの方の割合を使った方が良いみたい。ホタテは1年に自分自身の1.73倍の割合で大きくなっているのではなく、成長するその時に、1.73倍の割合で成長(カルシュウムを分泌)しているということか。
T:そして、その割合がいつも一定だから形が同じになる。奥村昭雄著【時が刻むかたち】を読んでいたら、ホネガイ(120度毎に棘がある)についてこんなことが書かれていた。「螺層を拡張するために邪魔な棘を溶かし新しい螺層を作る。それには5〜15日かかり、食事はとらない。その結果、成長曲線は個体差のある階段状になる。」そして、次の棘までの120度ごとに成長する。
S:やっぱり貝は不連続に殻を作っているんだ。
S:写真を見ると、サザエにも棘が9本あるね。この棘は一回りすると邪魔になるから溶かすんだ。サザエの場合は棘まで作って一休みするのかな。
S:ところで、どうしてdf(x)/dxがf(x)と比例しているとわかるの?
T:大事な質問だね。ついでに自然対数 e のことも調べてみよう。
[問題5] 問題1で見つけた指数関数f(x)=a^xの増加の割合、df(x)/dxを求めてみよう
df(x)/dx=lim[h→0](f(x+h)−f(x))/h
=lim(a^(x+h)−a^x)/h
=lim(a^xa^h−a^x)/h
=lima^x(a^h−1)/h
=a^xlim(a^h−1)/h
lim(a^h−1)/h はどんな値になるのだろうか。 a^0=1だから、この値は、a^xのxが0の時の接線の傾きを示している。ところで、lim(a^h−1)/h が1になればとても都合がいいことに気がつく。上の図をみると、どうやら傾き1の時の値がありそうだ。それは後で考えるとして、まず、lim(a^h−1)/h の値を求めてみよう。
ここで、p=a^h−1とおく。a^h=p+1だから、対数をとると、loga(p+1)=h となる。
これを用いてlim(a^h−1)/h を変形すると、
(a^h−1)/h=p/(loga(p+1))
=1/((1/p)・loga(p+1))
=1/loga(1+p)^(1/p) …対数って便利でしょう。
こんどは、この(1+p)^(1/p)の値がわかればOK。そこで、この式を今まで考えてきた式に直してみよう。
h→0ということは、a^0=1だからp→0。
そこで、1/p=nとすると、
lim[p→0](1+p)^(1/p)=lim[n→∞](1+1/n)^n となる。
T:これはさっき出てきたね。
S:元金1で利率1/nを0に近づけて行った時の期間無限の複利計算だ。
S:そんなの無限じゃないの?
S:利率も0に近づくことを忘れないで。
T:もう一つ解釈の仕方があるよ。元金と年利が1で、期間は1年。ただし、利息を元金に組み入れる回数を無限回とする時の元利合計。
S:計算してみよう。n=2のときは簡単だ。でもあとはめんどくさいな。エクセルを使って計算してみよう。
n (1+1/n)^n
1 2 =(1+1)^1
2 2.25 =(1+1/2)^2
3 2.37037037 =(1+1/3)^3
5 2.48832 =(1+1/5)^5
10 2.59374246 =
20 2.653297705
100 2.704813829
1000 2.716923932
10000 2.718145927
100000 2.718268237
1000000 2.718280469
10000000 2.718281694
100000000 2.718281786
S:なんだか一定の値に近づくような。2.718281までは確かみたい。
S:π(円周率)みたいな数だ。
T:そこで、この値lim[n→∞](1+1/n)^nをeとする。そうすると、さっきの式は
lim[n→∞](a^h−1)/h=lim(1/loga(1+p)^(1/p))
=1/logae
となり、したがって、
da^x/dx=a^x(1/logae)
(1/logae)は定数だから、da^x/dxはa^xに比例している。
さらに、a=e とすれば、logae=logee=1 であり、
de^x/dx=e^x
となる。
S:経済成長の増加の割合が、そのときの全体と比例しているという事がわかった。
S:e がなぜ出てくるのかもわかったよ。
S:kは関係ないの?
T:k倍だから拡大することになるけど、等角らせんは拡大しても相似なんだ。だから、大切なのはaの値!
[問題6] 江戸の成長率は?
S:もしかしたら、さっきの方法を使って江戸の人口増加率を出せるかも。
T:江戸の等角らせんの角度が97〜98°だから、a=0.122〜0.141
e^a=(1+p)に代入して、
e^a=1.13〜1.15=(1+p)
つまり、p=13%〜15% となる。
S:この「年利」が江戸の人口増加率にあたるといってもいいの?
T:これが人口の増加率に当たるのか、都市計画の増加率に当たるのかはわからない。
S:でも、江戸の町の増加率は人口の増加率と言ってもいいのでは。
S:さっきの貝の場合と同じように考えれば、ある瞬間における江戸の町の分泌の割合(町を大きくしようとするちからの割合)が全体の12〜14%だということではないの。
5、指数関数が片対数グラフで直線になる理由
[問題7] なぜ片対数グラフで直線になるのだろうか。
S:指数関数を y=e^ax として考えてみよう。
T:対数グラフのy軸は、指数(桁数=log y)と考えてよいから、表にすると、
x: 0 1 2 3 4 5 6 7 ・・・
y: 1 ea e2a e3a e4a e5a e6a e7a
log y: 0 a 2a 3a 4a 5a 6a 7a
S:一目瞭然、xとlog yは比例している。だから直線になるんだ。
S:もし、片対数グラフで直線になったら、それは増加率が一定の法則があるということなんだ。
S:ところで、指数関数とべき関数との違いは何だろう。
T:比例という面で見ると、同じじゃないかな。どちらもやはり比例している。
f(x)=ax ・・・f(x)は、xに比例
f(x)=ax^2 ・・・df(x)/dxは、xに比例
f(x)=ax^r ・・・f(x)は、x^rに比例
f(x)=a^x ・・・df(x)/dxは、f(x)に比例
f(x)=sinx ・・・df(x)/dxは、f(π−x)に比例
特に−0.1≦x≦0.1では両対数グラフは傾き1の直線。つまり、sinx/x=1であることがすぐにわかる。
これらを調べる時に、グラフソフトを使うと便利だ。対数目盛りも使えるグラフソフトを紹介しよう。
→【ファンクションビュー】
6、(心理的な)お金のねうちは、持っている財産によって決まる
[問題8] 株のチャートに片数グラフがあるのはなぜか?
T:株に興味のある人はいないかい。
S:ジェイコム株の誤発注の問題は興味があった。
S:あれで、何億と儲けた人がいるんでしょう。
S:ところで、株価の変化を表すチャートになぜ対数グラフがあるの?
T:それを考えてみよう。この対数グラフは片対数グラフだよ。ところで、株をやっている人は利益や損失を率で考える。投資金額に対して○○%上がった○○%下がったとね。
S:何円上がったとかではないということですか。
S:これがさっきの成長率や利率に当たるものですね。
T:株の値上がりの金額は、持ち株の数に比例するからね。だから、経済現象を考える時は「差」じゃなくて「比」で見ないと本質が見えてこないことがある。そして、この「比」に着目したのが片対数グラフ。
S:その比が一定に増加していれば、片対数グラフは直線になりますね。
S:逆に差が一定でも、大きくなっていけば成長は鈍ることになる。
T:だから、片対数グラフで直線的に変化していたのが変わったら、成長の変わり目だということもある。
S:でもさ、このチャート(ヤフーの)は、普通のグラフも片対数のグラフもそんなに変わらないよ。
T:ここでお金の問題をもう一度取り上げよう。私たちはこうやって全体との比率で成長を考えている。ということは、お金の「ねうち」も比率で考えているということだ。例えば、10万円と1万円を比べるときに、その人がどれだけの財産を持っているのかによってねうちが違ってくる。
S:1億円持っている人にとっての1万円と、10万円持っている人の1万円は違うということだね。
T:そして、その「ねうち」は、対数を使うと数値で表すことができるんだ。
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