y=1/xの積分はどう求めるか

反比例の積分がLog関数になるわけ

ベキ関数(y=x)の原始関数は予想ができる。でも、y=x−1(=1/x)の原始関数はわからない。
逆に対数関数の微分から1/xということがわかるけど、1/xとLogxがなぜつながるのか昔から不思議だった。

このことを歴史をさかのぼって調べてみよう。

1、対数の発見

y=1/xの面積は、どう発見されたのか調べてみると、対数の発見と関連があることがわかる。
そもそも対数は計算を楽にする必要から創り出された。 つまり、かけ算を足し算にするのが対数である。

これは、対数がかけ算を足し算に変える働きをしているということを示すシート。

AとBを動かしてみよう。
この対応する表をあらかじめ作っておけば、足し算でかけ算が計算できる。
この対数の原理は1600年ごろネーピアが発見した。
かけ算を足し算に変えるということは、等比を等差に変えるということである。
そして、この対数によって計算する時間を大幅に省略することができたのだ。

2、反比例の曲線の面積を求める

一方、放物線や円や楕円の面積は求めることができるようになっていた。残りは双曲線(反比例曲線)である。
1630年ごろベルギーの神父グレゴリー・聖ヴィンセントは、反比例の面積を調べていて気がついた。
それは反比例の面積が等差になっていることだ。

【双曲線を等比に分割すると・・・なんと等積になる】



これは、コンピュータに計算してもらったからすぐにわかるけど、当時はどのように計算して確かめたのだろうか。
まず、このことにどうやって気がついたのかというと、

【反比例のグラフの長方形は常に面積が同じ(xy=一定)。そこで、こう並べると面積は半分で同じ】



このことから、
【y=1/χの面積を求めるにはどうしたら良いのか?】予想がつく。
彼はまず、x軸を等比に分割し、その一つ一つをさらに等分して計算した。



赤い長方形は等積であることは計算からすぐにわかる。次にこれをk等分する。
この場合は左の方から順番に対応している長方形が等しくなるということが計算できる。
このkを無限にすれば、双曲線の面積になるので、最初の図のことが言えるのだ。

ここまでくれば、反比例の曲線の原始関数が対数関数であると予想できる。

⇒ジオジェブラブック【積分(原始関数)と微分(導関数)】 の中のy=1/xの原始関数

その後、ニュートンが1647年ごろ、1/(x+1)の無限級数化や1/xの積分を求め、オイラーが1740年ごろ自然対数を発見している。
そして、オイラーの公式 eiθ=cosθ+isinθ へとつながっていく壮大な歴史がある。

対数のしくみについての説明のページ

比例を拡げる

「パスカルの三角形」から「ニュートンの二項定理」へ】

オイラーの公式の発見

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