オリガミ六角形と俳句
俳句を絵にしてみよう
以前やった「オリガミ六角形とメビウスの帯」の「オリガミ六角形」を、久しぶりに子どもたちと作ってみた。
ただし、今回のテーマは俳句である。俳句は主に序破急という構造を持っており、オリガミ六角形の3面に適している。
1、俳句の絵画化
この教材の面白さは絵を描き込めるところにある。今回は俳句を絵に描いてみた。
俳句では主に序破急の3部構成になっている。
575と分けられているのもわかりやすい。
しかも、絵にすることで時と場と情景を意識しやすい。
(WMXファイルにしたので動画で見てください。)
真っ先に思いついたのは芭蕉の
(1)「古池や 蛙飛び込む 水の音」
これは簡単。しかし、最後の水の音をどう絵にしたらいいのだろうか。
きっと子どもたちは悩むと思う。芭蕉は音を表現した句が多いような気がする。
【水の音ってどう表わすの?】
蕪村の俳句は絵にしやすい。
(2)「菜の花や 月は東に 日は西に」
【この月は三日月?それとも満月?】
2、天の川の位置は
芭蕉の有名な俳句
(3)「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」
一場面目は荒海。二場面目は佐渡が島。
三場面目ではたと迷った。
A、佐渡ヶ島と平行に天の川
B、佐渡ヶ島に刺さるように天の川
どちらだろうか?
まず、出雲崎から佐渡は北に見えるのか、それとも?
8月の北天の天の川はどういうようになっているのか?
そこで、グーグルアースと星座ソフトを使って調べた。
グーグルアースは佐渡ヶ島の見え方まで示してくれる。
8月18日の出雲崎から見た天の川は・・・
私は天の川が佐渡と本州に掛ける橋の様に見えるほうが想像力をより豊かにすると思っている。芭蕉の心のイメージは実際に見えた天の川を越えている。
【この時の天の川の様子を星座ソフトで調べてみよう】
3、短歌はどうか
中2の国語の教科書に出ていた正岡子規の短歌
(4)「瓶にさす 藤の花房短ければ 畳の上に とどかざりけり」
短歌で試みたことは、どこで区切ればいいのかと言うことである。
3つに分けるわけだから、どこで区切るのかが大事になる。
瓶にさす/藤の花房短ければ/畳の上に とどかざりけり
こう区切ると、子規の視点がより鮮明になる。
子規の視点は畳と同じなのだ。
そこで、【なぜ畳と同じ視点なの?】と問う。
寝ている、昼ね、病気で寝ている、・・・と子どもたちは言う。
畳の上に届かないと言う所が、病床に臥している子規の情感をよく表わしている。
4、季節を問う
(5)「春過ぎて 夏来るらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山」
【この歌の季節はいつでしょう?】
昔から3つの説がある。どの説を選ぶだろうか。
(A)春=今は春なのに、春が過ぎて夏が来たみたいだ。
香具山に衣が干してある。
(B)夏=いつの間にやら春が過ぎて夏が来たみたいだ。
香具山に白い衣が翻っている。
(C)冬=おや、まるで春を過ぎて夏が来たようだ。
香具山に積もっている雪が衣を干しているように見える。
この3つの説を確かめるために実験をしていたTV番組を見たことがある。
それは、藤原京の大極殿から香具山に干してある衣が見えるかどうかの実験であった。もし、見えないとしたらそれは雪が積もったものという可能性が高くなる。
さてその結果は?
5、その他の絵
以前、生徒指導をしていた時に、「ニコニコワッペン」を作って子どもたちに渡したことがあった。廊下で元気がなさそうに立っている子に「元気を出して帰るんだよ」と言って渡すとうれしそうにもらってポケットにつっこむ。
中学校では少し工夫が必要だ。そこでオリガミ六角形を使う。
【元気を出して】
大(意味わからんし)→す(何だろう?)→き(あっそうか)
【くだもの】これは、4面の生徒作品。こんな発想はなかなかできない。
【かえるがかえる】変化が面白い。
(6)もう一つ俳句を紹介しよう。【朝顔につるべ取られてもらい水】
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