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フィボナッチ数列(F
n+1=F n +Fn-1)と, 黄金分割(χ2 −χ−1=0)と,等角らせん(指数関数y=e χ
)が同じことの証明
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(1)フィボナッチ数列の差分もフィボナッチ数列になる。

1,1,2,3,5,8,13,21,34,…
   1 1 2 3 5  8  13 21…
      1 1 2  3  5   8  13…

このことから,フィボナッチ数列が指数関数で表わされることが予想できる。

(2)黄金分割からフィボナッチ数列を作る

/   χ     \/ 1 
―――――――――┼―――――
\      χ+1    /

χ:1=χ+1:χ  (黄金分割の定義より)

χ2=χ+1  …(1)

χ2−χ−1=0

 …(2)  (α=(1+√5)/2,β=(1−√5)/2とする。)

(3)黄金分割を作る方程式の再帰性

この(1)の関係を使うと、χのn乗は、 全てχの一次式に表わすことができる。

χ2=χ+1

χ3=χ・χ2=χ(χ+1)=χ2+χ=(χ+1)+χ=2χ+1

χ4=χ・χ3=χ(2χ+1)=2χ2+χ=2χ+2+χ=3χ+2

χ5=χ・χ4=χ(3χ+2)=3χ2+2χ=3χ+3+2χ=5χ+3


となり,χ1=χをつけ加えれば,χの累乗でフィボナッチ数列が表わせることになる。
もしχ=1なら,すぐにフィボナッチ数列ができるが,χ=α,βなのでもう一工夫する必要がある。 そこで,このαとβを使ってフィボナッチ数列の一般項anを求めてみる。

(4)フィボナッチ数列の一般項

an=Aαn+B βn…(3)とすれば,上の関係と同じように,

a0=A+B

a1=Aα+Bβ

a2=Aα2+B β2=A(α+1)+B(β+1)=(Aα+Bβ)+(A+B)

a3=Aα3+B β3=A(2α+1)+B(2β+1)=2(Aα+Bβ)+(A+B)

a4=Aα4+B β4=A(3α+2)+B(3β+2)=3(Aα+Bβ)+2(A+B)


となるので,Aα+Bβ=1,A+B=1であれば,anはフィボナッチ数列になる。

この連立方程式を解くと,A=,B=となり,これを(3)に代入すると,

 …(4)

となり一般項が求まった。


(5)フィボナッチ関数と指数関数

 (4)を少し変形して,とすると,

 f(χ)=  という関数ができる。これをフィボナッチ関数と名付ける。

 この関数はχが奇数のときはフィボナッチ数列をとり,偶数でも近似的にフィボナッチ数列になっている。さらに、(4)の式の左側と右側を分けてそれぞれの値を求めると、次のようになる。

n 1.618n/√5 (-0.618)n/√5 フィボナッチ数
0 0.447213596 0.447213596 0
1 0.723606798 -0.276393202 1
2 1.170820394 0.170820393 1
3 1.894427192 -0.105572809 2
4 3.065247587 0.065247584 3
5 4.95967478 -0.040325225 5
6 8.024922369 0.02492236 8
7 12.98459715 -0.015402865 13
8 21.00951952 0.009519494 21
9 33.99411668 -0.005883371 34
10 55.00363622 0.003636123 55
11 88.99775292 -0.002247248 89
12 144.0013892 0.001388876 144
13 232.9991421 -0.000858372 233
14 377.0005314 0.000530503 377

 
は指数関数で、対数らせんの式に変換できる。これが、【黄金分割らせん】のできる理由である。

(6)黄金分割の図形的意味 fibonati.gif (1961 バイト)

 下のように黄金分割を成長させていくと,全体と成長した部分はどこをとっても黄金分割になる。

つまり,成長部分と全体の比が常に一定である。全体との比が常に一定になるように成長しているということである。そして、フィボナッチ数が現れてくる。これが(3)の図形的な意味である。

左の図はフィボナッチ数の正方形を成長させたもの。

また、この黄金比を具体的な数で表わすと,

      1.618    :   1      全体は2.618
        1      : 0.618    全体は1.618
      0.618    : 0.382    全体を1とした時
 └―――――――――――――┴――――――――┘
      222.5    : 137.5    全体を360とした時【黄金角】

となり,どれをとっても黄金比といってよい。


(7)黄金分割を指数で表わす

(5)から、
  は黄金分割数列の近似値になる。

これをf(n)=eanと等しくなるようにaを決める。

  だから

 

 ∴  となって,eで黄金分割の近似値を表すことができる。


(8) 隣り合う項の比の極限

    だから,  

一つおきに隣り合う項の比の極限(「アッと驚く数学マジックへ」)

 

なお,φ=1.618…とすると,次の関係が成立する。
φ2=φ+1=φ/(φ−1)=2.618…
1/φ=φ−1=0.618…
(φ−1)/φ=0.382…

(9) 植物の葉序とフィボナッチ数

 このサイトでは、あちこちにフィボナッチ数や黄金角について出ていて、統一してありません。そこで、ここにまとめてみます。

最初の疑問  『なぜ松笠には、5,8,13本のらせんが出てくるのか?』

(1)多角形の外角は常に360度である。そのことから,「分数多角形」が定義できる。

(2)この「分数多角形」を使って、植物の葉序を調べることができる。

(3)すると、葉序は一つとびのフィボナッチ数の「分数多角形」となる。では、なぜ、フィボナッチ数が出てくるのか?

(4)花も葉の進化したものだとすると、葉序と同じで松笠やひまわりの花(種)も「分数多角形」で現すことができる。

(5)松笠やひまわりには「らせん」が現れ、この本数がフィボナッチ数となる。

(6)「分数多角形」を少しずつ成長させると「らせん」が現れる。その「らせん」の数は外角の大きさで決まる。

(7)一つとびのフィボナッチ数の分数の極限は黄金比になり、その「分数多角形」の外角は黄金角(137.5°)になる。

(8)黄金分割からフィボナッチ数が出てくる。また、黄金分割と黄金角は同じものである。そして、フィボナッチ数の一般項から,黄金分割や等角らせんとの関係が明らかになる。

(9)逆に,黄金角で葉序をつくると,全てのフィボナッチ数が現れる。したがって、植物は黄金角で回転しながら葉(花、芽)を造っていると考えると、今までのことが全て説明できる。

(10)では、植物は黄金角を、どうやって識別しているのか?(未解決!)

これが,今までの私の試行錯誤の結果です。

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