授業の一コマ ノストラダムスの予言 1999年1月中学2年
「授業を始めます。」「先生質問があります。」「ノストラダムスの予言について先生はどう思いますか?」 (授業を延ばそうとする作戦だな。) 「どうして聞きたいの?」「だって、もし今年の七月で滅亡するなら勉強なんかしてもしょうがないよ。」「そんな心配をしているの。心配だと言う人?」(何人も手を挙げる。)
「じゃあ、話そうか。私は予言が本当かどうかという問いはたてない。なぜ予言が出てきたのか、誰がその予言で得をするのかを考える。昔からノストラダムスの予言があった訳ではない。いつからか出てきたのだけれど、この予言が出てきて誰が得をしたと思う?」「本を書いた人。」「うん、本が売れると儲かるね。でも、もっと儲けている人達が居るよ。」「テレビ局だ。」「どうして。」「ノストラダムスの予言を番組にすると、視聴率が上がるから。」「そうだよね。つまりこの不安はテレビ局が作ったものといってもいいよね。こうやって不安をあおり、番組を見させることによって儲けようということなのだ。」「先生、NHKはお金を集めているけど、普通のテレビ局はどうやってお金を儲けているの?」「視聴率が高い番組はスポンサーがたくさんつくから儲かるのさ。・・・・」「でも、ノストラダムスの予言はいままであたって来たんでしょう。」「そんなのはぼくでも予言できる。今年は日本で大変なことが起きるぞ。」「ほんと?」「大体大変なことが起きない年はないんだ。予言なんて言うものはこんなものさ。さらにマスコミを利用するともっと面白いことができる。昔ユリゲラーと言う超能力者という人が居てテレビを使った大々的なマジックをやったことがある。それはテレビで大勢の人が見ていないとやれないマジックだ。テレビを見ている人達に動かない時計を用意させて、テレビで念力を送って時計を動かして見せるという。念力を送り出したら、テレビ局に何本もの電話がかかってきてうちの時計が動き出したという。このトリックを見破れるかい。」「えーなんで。」「テレビを使うと動かない時計が何万個も集められるのだ。そのうちには、寒くなってあぶらが硬くなり動かなくなった時計が何十個はある。それが暖かくなった部屋と手の暖かさの為に油が柔らかくなり動きだすと言う仕組みさ。たまたま動きだした時計を持っていた人が電話をする。何十人と電話をしたら、テレビを見ている人はうちのは動かないけれど本当に念力はあるんだと考える。」
このように、二十分ぐらいノストラダムスの予言が如何に作られたものかを話しました。一番説得力があったのは、ノストラダムスで誰が儲けているのかと言う話。そこからTVの話しになり、民放はどうやって儲けているのかなどなど発展していきました。子どもたちは次から次へと質問していきました。これを調査活動でやると面白いと思いました。
最後に悪乗りついでに私も予言をしてしまいました。数学が終わってから何人かの子どもが来て、ホッとしたとか、面白かったとか言っていました。子どもたちの不安は予想以上でした。
超能力はあるのか(TV[リングー最終章」を見て)
またまた授業の始まり。「先生、昨日リングを見た?」 「怨念や超能力ってあるの?」「超能力か。そう言えば、私は中学生の時、超能力ー特に念力で物を動かすことについて大実験をやったことがある。」「おい、みんな静かにしろよ。」「授業中、いつも眠たくなって困ったから、眠らない様にするため黒板消しを浮かす実験を始めたのだ。」「それで、黒板消しは浮いたの?」「最初の実験は、黒番消しに命令をした。浮かべ!ってね。なかなか動かない。最初のうちは集中力が足りないからもっと集中すれば浮くはずだとずいぶんぎばった。これを1ヶ月ぐらい続けたかなあ。」(黒番消しを真剣ににらんで念力をかけている子がいる。)「ところが、黒番消しは一向に浮こうとしない。それで、なぜ駄目だったのか考えた。黒番消しは物だから物に命令したって駄目だ。そこで、言葉で命令するのではなくイメージでやらないと駄目だと考え、黒板消しが浮くイメージを浮かべることにした。これも1ヶ月ぐらいやったかなあ。しかし、動かない。そこで、瞬間的な念力をやってみることにした。授業の合間にふっと浮かぶイメージを送るのだ。これも1ヶ月ぐらいやったかなぁ。結局黒番消しを浮かす力は私にはないという結論に達した。それ以来、私は物を動かしたり変えたする時には手やからだを使ってやることにしている。大体、考えただけで物を変えることができるなんて堕落している。」「先生ができなかっただけじゃないの?」「そうかもしれん。でも、実際に手を使って物を動かしたり変えていくほうがはるかに面白いからね。」「ぼくもカメハメ波が打てないか真剣に練習したことがある。」「私なんかすぐにできないことが分かったよ。先生は馬鹿じゃない。3ヶ月も実験するなんて。」「超能力はないと思っているけど、怨念は有るぞ。私は恨みをいっぱい持っているから、死んだら祟ってやる。君等が勉強している隣に・・・・・」またまた、脱線してしまいました。