平均を探る

平均の平均・平均の足し算

すでに考えたと思うけど、忘れてしまっていて、何度目かわからないが考えてみた。
最初の疑問は、平均がわかっていて、そこにある数値を加えるときに、どう計算したらいいのかという問題。

1、平均の加え方

例えば、「30人のクラスの平均点が60点だった。
      そこへ80点の人を加えると平均点はどれだけ増えるか。

結論を先に言うと、
80−平均=20  20÷31=0.645…だけ増える。

平均との差を人数で割ればいいのである。
念のために公式を求めてみる。
クラスの合計点=60点/人×30人=1800点
1880点÷31=60.645…。
この求め方から、求め方を導く。

 (平均×人数+得点×1人)÷(人数+1)
=(平均×人数+(平均+差))÷(人数+1)
=(平均×(人数+1))+差)÷(人数+1)
平均+(差÷(人数+1))

となり、平均との差を人数+1で割ったのを足せばいいことがわかる。

これを考えようと思ったのは、平均に新しいデータを加えるときに
簡単にできるのではないかと思ったからだ。
人数が平均の方にも影響していると思ったが、差を取れば簡単だった。

これを使うと、差が人数以上だと影響が高いことがわかる。
とすると、人数は平均には無くてはならない数だ。
例年の平均ではなく、過去30年の平均とか、50人の平均とか必ず付け足す必要がある。

2、平均の平均

次の問題は燃費の計算や速度の計算の時に出てくる平均の平均。
平均を平均するためには、足して2で割る方法では求まらない。

例えば、 「車で往復した時に、往きは20q/l。復路は40q/lの燃費だった。
       平均の燃費はどれだけだろうかという問題。
 (これは平均時速でもまったく同じ。)

この場合、結論を先に言うと、
平均=2×(20×40)÷(20+40)=26.666…q/lとなる。

求め方は、
        往路               復路
|―――――――――――――|――――――――――――――|
     a(q/l)         b(q/l)
往路÷a(q/l)+復路÷b(q/l)=(b×往路+a×復路)/ab
                    =往路(a+b)/ab・・・使った燃料
距離÷燃料=燃費 だから
 (往路+復路)×ab/往路(a+b)=2ab/(a+b)・・・平均の燃費となる。

あれ?と感じる人は、a=bの時を計算してみると良い。

平均は内包量(q/l)だから、外延量(q)のように足したり引いたりはできないのだ。
ただし、これは往復問題の時だけに成り立つ公式である。

この公式で、b=paとしてみると、2pa2/(a+pa)=2pa/(1+p)となる。
pをχとして、関数y=2χ/(1+χ)をグラフにしてみると、

不思議なことにpが何倍になろうが2aを超えることはない。
つまり、往復の場合は、低い方の速度や燃費の2倍を超えることはない!ということを示している。
このことは実際の燃費を見るとうなずけるが、一見すると不思議である。

次の図は、燃費が30km/g を越えることをめざすために、aが往路でbが復路だとすると平均の燃費(yの値)を求めたもの。ただし燃費に限らない。
いろいろ数値を試してみよう。

3、平均気温

TVを見ていたら天気予報で6月の初めてしては記録的な暑さだと言っていた。
調べてみると、郡上八幡の過去の平均気温を知ることができる。
気象庁データ

これを見ると、今年の6月1日の
平均気温は23.8℃。最高気温は35.9℃。最低気温は13.9℃。
1981年から2010年までの30年間の6月1日の
平均気温は18.3℃。最高気温は25.1℃。最低気温は12.5℃。
平均気温は5度高いだけ。ところが最高気温は10度も違う。
これはなぜか。朝と昼の温度差が大きいのである。実際最低気温の差は1度。

平均気温は24時間ごとの気温の平均である。
だから温度差が大きいから平均すると小さくなってくるのであろう。

ここで、時間をもっと短く区切るとどうなるのかという疑問が生じる。
積分の考え方をすれば、平均気温は高くなると思われる。

4、平均点から人数を求める

「ある国の得点の平均」と「その国で生まれた人の得点の平均」と「そうでない人の平均」がわかっている時に、
人口と移民の人数との比を求めることができる。
148、OECD「大人の学力」 ・・・日本の大人の学力は世界一? PDFファイル (2014.1)

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