生き物たちのエレガントな数学
この度、技術評論社のおかげで、表題の著書を出版することになりました。内容は、「はまぐりの数学」から生き物に関する部分を取り出しさらに書き加えたものです。執筆には一年以上かかりました。
『生き物たちのエレガントな数学』
出版社 技術評論社 [知りたいサイエンスシリーズ]
著者 上村文隆
定価 1580円(税込み1659円)
執筆はこのサイトのページをベースにしましたが、組み立て直したり、新たな発見を入れたり、間違いを直したりとけっこうやることが多く、時間がかかりました。
一番大変だったのは、写真です。ひまわりやサボテンの写真、さらにハチの写真などその時期には無いものがあっていつもカメラを持ち歩いていました。自宅の屋根裏でスズメバチの巣を見つけたときはうれしかったです。
二番目は校正です。自分で思い込んでいたり単なる仮説がたくさんあります。それらを検証しなければならないのですがこれには参りました。図書館で調べましたがなかなか資料が見つかりませんでした。こんなわけで、時間はかかりましたが、編集者の神山さんは粘り強く付き合ってくださいました。
目次
1、ハチの巣はなぜ六角形か (生き物の作る形は単純)
2、植物の葉の付き方 (フィボナッチ数とアルキメデスのらせん)
3、まつぼっくりの研究 ( 〃 )
4、植物の葉や枝が描く形の謎 ( 〃 )
5、樹木の生長 (フラクタルとフィボナッチ数)
6、ハマグリの数学 (ベルヌーイのらせんと黄金比)
7、貝の成長とマルサスの法則 ( 〃 )
8、黄金率とフィボナッチ数列と等角らせんの秘密 ( 〃 )
9、生き物の大きさと形の関係 (相似について)
10、地球環境と生態系を比例で読み解く ( 〃 )
11、働きアリと怠けアリとパレートの法則(度数分布と社会性)
全体の構成は、1章ハチの巣で形。2〜3章でアルキメデスのらせんとフィボナッチ数列。4〜5章でフラクタルとフィボナッチ数。6〜8章でベルヌーイのらせん。9〜10章で相似。11章で度数分布と、比較的簡単なテーマを扱っています。
ベルヌーイのらせんは、今までも扱われていますが貝を通じて黄金比と結びつけながら扱った点が新しいと思います。さらに、植物のらせんをアルキメデスらせんで統一した所も自慢できる点です。
膨大な学問の世界から見るとほんの小さな芥子粒のようなものですが、新しい視点や発見が皆さんのところへ少しでも届けばと思っています。
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