フーコーの振り子の理解の仕方
「フーコーの正弦則」を導くために
この図では反対側に来た時に角度が元にもどってしまう。
北極だとちゃんと一回転したのに。
なぜだろう?
しかも地球の反対側に来た時から角度がだんだん少なくなる。地球の自転は一定なのにおかしい。
これはどう考えたらいいのだろう?
爺:ウィキペディアを見たら、円錐をかぶせるとわかり易いと書いてあったよ。
孫:そうか。これだと北極への地平線のイメージがしやすいね。そして地球の回転もイメージできる。
孫:まず、円錐をかぶせた時の緯度と円錐の頂点の角度を求めなくてはいけない。
地球に接する円錐は接点が緯度の時、頂角の半分=緯度となる。へー、これすごいね。
これで緯度や経度だけでなく地平線までイメージできる。
孫:あれ、この円錐の頂点と振り子の方向のなす角度は平行線の錯角だよ。
爺:だからこういう円錐を考えたんだね。
孫:とすると、これからは振り子の方向と北の方向とのなす角度を円錐の頂点と弧のなす角度に置き換えることができるわけだ。
地上に立って考えると変化の角度はとても小さい。だからこうやって無造作に角度を大きくすると違ってくるんだ。
今まで北の方向と振り子方向の角度で考えていたので、かえってわからなくなっていたんだ。
その上、元の方向を地面に射影したけど、それでは大きくずれてくる。
爺:すごいぞ。爺にもだんだんわかってきた。
孫:地球は弧にそって動いている。だから、小さな弧EFで考えなければいけない。
小さな弧EFで考えると角度の変化と扇形の∠EKFは同じと見なしていい。(図のように平行線の軌跡はやはり円を描く)
そして、この微小な角度の変化の積み重ねが振り子の変化だから、振り子の変わる角度の積み重ねはこの円錐の扇形の角と等しくなる。
つまり微分(小さな変化)と積分(その積み重ね)で考えなくてはならないのだ。
爺:なるほど。振り子の向きと北との小さな角度の積み重ねは、直接の角度ではなく円錐の扇形の角度になってくるというわけだね。
孫:それを北極での様に実際の角度で表そうと考えた所が間違いだった。
振り子の角度の方を見ると積算がわからなくなるけど、円錐の弧のなす角度で考えると積算が見えてくる。
そして地球が一回転すると、振り子の角度の積算は円錐の扇形の角度になる。
つまり、地球が一回転するたびに振り子は扇形の中心角を回転することと同じなる。(つまり360°ではない)
しかもこの扇形の角速度(振り子の角速度)は地球の自転と同様に一定になっている。
そして、24時間で扇形の角度を変化するのだから、360度だと何時間かかるか比例で求まる。
1:sin(α)=x:24h
x=24h/sin(緯度)
孫:やっと求めることができた。
この問題は実に難しかった。まだ完全に理解していないかもしれない。
爺:こうやっていろいろ試しているとおかしいことに気がつくだろ。
そこで図を修正する。つまり考え方(思い込み)を修正する。
さらに図を描くだけではなく、こうやって文章を書くと気づきが出てくる。
孫:こうやって少しずつ理解が深まってくるんだね。