160年前の12歳の出した問題に挑戦しよう!
岐阜県養老郡養老町高田の田代神社に天保12年(1841年)に作られた算額があります。この算額の中に11歳、12歳、13歳の少年が出した問題が出ています。もちろん彼らは自分でそれを解いたから算額にしたわけです。この問題に挑戦してみましょう。
最初は12歳の土屋房吉君の問題です。
与えられた正方形(一辺が10寸)に等しい面積を持つ円の直径を求めよ。
答曰(こたえていわく) 円の直径は11.2寸
術曰(じゅつにいわく) 円の直径=1.12×(正方形の一辺)
どうやってこの公式を見つけたのでしょうか?
次は13歳の井口百一郎君の問題です。
与えられた正方形の中へ四個の等円を入れる。黒い部分の面積を知って、等円の直径を求めよ。
正方形の一辺を10cm、黒い部分の面積を60平方cmとすると円の直径はいくら?
答曰 等円の直径は3.57cm
最後に11歳の日比野平之丞君の問題です。
正方形の内に二個の斜線を作り、甲の正方形三個と乙の正方形一個を入れる。甲正方形の一辺の長さを知って乙正方形の一辺の長さを求めよ。
答曰 乙の正方形の一辺=(√5−1)×(甲正方形の一辺)÷2
ここで注目して欲しいのは,(√5−1)/2が黄金分割ということ。このように正方形を分割すると,辺や斜線も黄金分割されていることがわかる。彼はいったいどうやってこの公式を発見したのだろうか?
さあ、彼等の挑戦を受け取り、さらに君たちも100年後の後輩達に問題を出してあげようではないか。
参考文献 「岐阜県の算額の解説」 高木重之著