算額の解答
神谷さんの問題
△ABCがある。ADを2つの内接円が等しくなる様に引くと、BC=√((a+b)^2−4c^2)と言える。
(a^2はaの二乗を示している。)
証明
△OED∽O’FDだから r:n=n’:r
∴r^2=nn’・・・(1)
△ABDで r^2=lmn/(l+m+n)・・・(2)
(∵△ABDの面積は、内心で分割した6つの直角三角形の合計で求めると、
Δ=r(l+m+n)
もう一つ、ヘロンの公式を使って求めると、Δ=√((l+m+n)lmn)
∴r(l+m+n)=√((l+m+n)lmn)で、r^2=lmn/(l+m+n)となる。)
(1)(2)から lm=(l+m+n)n’・・・(3)
また、2△ABD=(a+d+c)r、2△ACD=(b+e+c)r、(△ABD:△ADC=d:e)
∴ (a+d+c)r/d = (b+e+c)r/e = (a+b+2c+d+e)r/(d+e)
すなわち (a+c)/d=(b+c)/e=(a+b+2c)/(d+e)=(a+b+2c)/χ ・・・・・(4)
∴ d=(a+c)/(a+b+2c)・χ ・・・・(5)
そして l=(a+c−d)/2 , m=(a+d−c)/2 , n’=(c+e−b)/2 これを(3)に代入すると
(a+c−d)(a+d−c)/4=(a+c+d)(c+e−b)/4
また(4)から e=(b+c)/(a+c)・d [eとdを消去する方針でいきます]
これを上式に代入すると (a+c−d)(a−c+d)=(d+a+c)((b+c)/(a+c)・d+c−b)
dについてまとめると (a+b+2c)d^2=(a+c)^2(a+b−2c) [dの項がみごとに消えてしまいます]
(5)を代入すると χ^2/(a+b+2c)=a+b−2c
∴ χ= √((a+b)^2−4c^2) 証明終わり //
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△OED∽O’FD になかなか気がつきませんね。
神谷直繩(僧 認澄) 1825(文政8)〜1894(明治27)
浅野孝光(宮川孟弼) 1839(天保10)〜1910(明治43)
参考文献 「岐阜県の算額の解説」 著 高木重之より