メビウスの帯(輪)とオリガミ六角形(ヘキサフレクサゴン)

六角形は自然界にたくさん出てきます。蜂の巣・光の乱射・水の結晶・雪・鉱物の結晶…など。
六角形に親しむために、六角形を使った遊びをやってみましょう。

1、オリガミ六角形(ヘキサフレクサゴン)で遊ぼう

T:ここに折り紙で作った六角形があります。この六角形を右の写真のように折り曲げて、真ん中をめくってごらん。→【動画のページへ
S:新しい面が出てきた。裏が出てきたのかな。
T:再度同じ動作をすると?
S:あれ?今までと違う面が出てきた。不思議だなあ。4回目は元に戻った。3面あるんだ。
S:これどうやって作ったのですか?
T:このオリガミ六角形の作り方は次の通り。

 (1)作り方
T:正三角形を9つ描きます。⇒【A4用オリガミ6角形原本PDFファイル
S:3面ということは、三角形は3×6=18個なければいけないのでは?
T:そうですね。9つの三角形の裏表を使うので、9×2=18でOKなのです。さて、これの9つの正三角形を交互に折っていき、最後に最初の三角形の面と最後の三角形の面をつなぎ、これを開くと、三角形が6つ集まった正六角形ができます。折り目は、最初に山折と谷折の両方ともつけておいた方がいいですよ。
S:図で説明してください。
T:左の写真を見てください。裏へ裏へと折っていけばいいのです。
S:3つの平行四辺形を交叉させるのですね。
T:そうです。簡単でしょう。

T:次は遊び方を考えてみましょう。

 (2)俳句
古池や/蛙飛び込む/水の音
T:俳句は、5・7・5なので、これを「オリガミ六角形」の3つの面に書き込めば、めくっていく楽しさが出てきます。知らない俳句を書き込めば、次はどんな言葉だろうかと期待します。

 (3)三コマ漫画
T:これは、起承転結ではなく、序破急です。
S:卵→ひよこ→鶏 。これどう。
S:卵→おたまじゃくし→蛙。
T:俳句を、三場面の絵にするのも面白いよ。

 (4)三文字漢字
T:三文字漢字を書くのも面白いかも。
S:「序破急」 「大好き」 「最後屁」 「真善美」
S:工夫すれば、いろいろな遊びが出来ますね。
S:これは、4面や5面・6面には出来ないのですか?
S:私は4コマ漫画を作りたい。
T:もちろんできます。次は4面を作ってみましょう。基本は3面です。
S:4面だと6×4÷2=12個の三角形が必要ですね。
S:折り方は、部分的に三角形が重なるだけで3面と同じですね。
S:私、こんなのを考えたわ。スイカ→リンゴ→カボチャ→キュウイ(最初の写真)

 (5)6面の作り方

S:6面だから、6×6÷2=18個の三角形が必要だ。さっきの3面を二つ合わせれば良いですね。
T:これを、右の様にねじって二重にします。ここから先は、3面の作り方と同じ。


2、オリガミ六角形を調べよう

(1)6面で全部の色を出してみよう

S:ピンク・赤・黄・ピンク。あれ、3面しか出ない。
S:青が出た。次に1面しか出ないところと、2面出るところの二種類あるんだ。
T:では、色の順番がどうなっているのか調べてみよう。最初桃として、次は何?
S:赤です。赤の次は二つある。紫と黄。
S:黄も二つある。桃と青。
T:じゃあ、これを図にしてみようよ。
S:   桃   もっとうまく並べられそう。    桃
   ↑ ↓                   ↑↓
 青←黄←赤→紫                黄←赤
 ↓                      ↑↓↑↓
 緑                     緑←青←紫
S:きれいに並びますね。三角形が4つある。
S:これを見ると、一方通行だよ。逆はないのかな。
S:裏返してめくると、ちょうどこの図の矢印が逆になるね。
S:順番には出ないような気がするな。
T:いや、ちゃんと順番に出る道順がありますよ。どういう道順にすれば6色が順に出ますか?
S:一番外側を通れば、重ならない。
T:ということは、桃→赤→紫→青→緑→黄→だと、順番に出ますね。
S:途中で迷子になる可能性もあるよ。
S:では、4面はどうなっているのかな。調べてみよう。
S:順番を見つけないと、4コマ漫画にならないもんね。

参考サイトは、西山豊さんの『ヘキサフレクサゴン (hexaflexagon) の一般解
www.osaka-ue.ac.jp/gakkai/pdf/ronshu/2003/5404_ronko_nisiyama.pdf
何面でも製作可能ということが示されています。設計図も載っています。


3、オリガミ六角形は、メビウスの帯(輪)か

S:このオリガミ六角形って、メビウスの帯みたい。
S:メビウスの帯を作ってみよう。
T:左がオリガミ六角形。右がメビウスの帯。この二つを比べると見た目はかなり違いますね。では、どう違うのか調べてみましょう。まず、折り方の違いは?
S:どちらもねじっているし…。違うっていうことはわかるけど、どう言ったらいいのかわかりません。
T:外側の線は?
S:どちらも、つながっていて、一本です。
T:面は?
S:どちらも裏表がなく、一面です。
T:真ん中で切るとどうなるでしょうか?
S:どちらも一つの輪になります。オリガミ六角形の方は結ばれています。
S:ここまでは、どちらもそんなに違いはないですね。
S:違いを比べるいい方法があるはず。
S:ネジルということは折り曲げるということですよね。
T:良い視点です。この二つを折って、比べてみましょう。
S:折ると三角形になるよ。どこが折れているのだろう。えーと、違いは。
S:頂点の折っている向きが逆になっている。
T:違いがはっきりとわかりましたね。こうやって比べると、この二つの違いがかなり鮮明になります。
S:これを見ていて気がついたけど、他の折り方がありますよ。


4、「三角形おび」の分類

T:例えば?
S:この逆の折り方です。この二つは同じなのですか?
S:ちょうど逆だから、裏返せば同じじゃないかな?
S:裏返しても、変わりません。
S:とすると、これは違うものと見てもいいのかな。
S:メビウスの方も、逆の折り方が考えられます。

S:ところで、オリガミ六角形は裏返すことができたけど、メビウスも裏返すことができるのじゃないかな。
S:やってみよう。裏返し方は違うけど、できますね。
S:三角帯びの折り方はもう他にないのかな?
S:この4種類しかないみたい。
S:ところで、普通の輪は、こうやって折ると、どうなるんだろう?
S:そうか。面白いことに気がついたね。調べてみよう。
S:最後が折れないよ。
S:オリガミやメビウスとは違うということはわかったけど、三角形だと平面にならない。
・・・
S:あっ、そうか。三角形でなく四角形にすれば平面になる。


5、「四角形おび」の分類

S:四角帯びだと、もっと他にありそう。
S:こんなのもあるよ。








S:同じのもありますね。
S:結局、普通の輪も入れて5種類ある。
S:ところで、この左側の折り方を見て、ふと思いついたんだけど、これって、オリガミ六角形の折り方と同じじゃない。
S:そうだよ。上に上にと重ねて折っている。
S:そうしたら、オリガミ六角形の様に、裏返しにできるんじゃない?
S:そうかもしれない。やってみよう。まず、隙間をつめて、右のような四角形にする。
・・・
S:難しいな。三角形と四角形に折って・・・→【動画のページへ
S:できた。裏返しにできる。面の数は4面だ。
S:すごいな。これは、オリガミ四角形だ。
S:とすると、五角形でも同じように折れば、裏返しにできるんじゃない。
S:やってみよう。
S:ついでに、六角形も試したら。
S:へー。真ん中が空いている。六角形はきちんと裏返せるよ(右)。
S:中が埋まるんだね。三角形になる。
S:五角形の方はいろいろな形が出てきて、一度で裏返せない。
S:この六角形の真ん中も埋めたら、どうなるんだろう。
S:あれ?これはオリガミ六角形の4面と同型だよ。作り方も同じだ。
T:三角形と六角形は、双対(双対)だからつながっているんだ。
S:八角帯びは、きっと四角帯びと同じになるんじゃないかな。


目次へもどる