はじめに



 中学校の数学はほとんど受験のための数学となっています。そして、子どもたちにとって数学を学ぶことは苦痛になってきています。
 私は数学は自然や社会とのつながりの中でこそ「学び」として再生するのではないかと思っています。 ですから、数学と自然や社会との「つながり」を通して、子どもたちと数学との「出会い」を創り出すことを授業の重点にしてきました。
 ここに書いた実践は、生徒と共に授業を通して創り上げてきたものです。したがって、生徒との対話形式に書くのが一番いいであろうと考えました。
 私が中学校の数学を通じて生徒たちと共に考えたかったことは次のようなことです。
@数学はなんのために学ぶのか。A数学の面白さとは何か。 B数学とはどういう学問なのか。C生徒のための、自分自身のための数学とはどんなものなのか。D数学は現実の世界とどういう関係があるのか。 そういった問題に少しでも解答を与えたいと考えた結果が、このサイトの内容なのです。そして、このことは全て授業でやったことです。 登場人物も、かって担任した生徒諸君のイメージで書きました。かってに名前を借りたことをお詫びします。
 このサイトは、生徒諸君に読んでもらいたいのはもちろんですが、何よりも教師の皆さんに読んでもらい御批判をうかがいたいと望んでいます。
1991年    ♪ kirakirabosi ♪  

A.検索してここにたどり着いたあなたへ

答えは見つかりましたか?
でも、答えを見てわかっただけではもったいない。
あなたはその問題をどうして持ったのでしょうか。
同じような問題が出た時、今度は自分で答えにたどり着きたいと思いませんか。
だって、スマホが使えない場合もあります。答え→解き方→考え方を探ればいいだけです。より合理的ですよ。

B.自学自習(独学)で数学を学ぼうと考えているあなたへ

答え→解き方→考え方→学び方
問題を解くためにはどんな知識が必要なのだろうか?
そう考えたあなたはすてきです。
考え方は数学の歴史です。この歴史には人類の数学の歴史とあなたの数学の歴史の二つがあります。
学び方はこの物語(歴史)なのです。そしてそこにはエモーションがあり、次の学びへのエネルギーを生み出します。

C.数学は苦手だったけどもう一度勉強し直してみようと決意したあなたへ

ある程度の知識(スキル)と憧れさえあれば大丈夫です。
あなたが他のところで学んだことを数学の学びで再確認するだけです。
知識と知識が結びついたとき新しい知識を生み出します。
知識にはエネルギーが詰まっているからです。

2022年2月

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