はしご直角三角形(二等辺直角三角形)

直角二等辺三角形の一つの拡張

○直角三角形の中に、二等辺三角形を描く

三角定規は二種類の直角三角形で作ってあります。
これは正三角形と正方形を半分にして作ったものです。
正方形からは直角二等辺三角形、正三角形からは30・60度の直角三角形ができますが、
この二つには深い関係があります。
それは、「はしご直角三角形(二等辺直角三角形)」の仲間という関係です。


○30度・60度の直角三角形の拡張

一番左の直角三角形は正三角形を半分にすればできます。
斜辺の中点を中心にすると、円周角(ターレス)の定理に拡張できます。
ここでは、別の視点で拡張してみます。
まず、この三角形には二等辺三角形が二つあります。
斜辺の中点と結べば、どんな直角三角形でも必ず二等辺三角形が二つできます。

では、この二等辺三角形をもっとたくさん描くことはできないものでしょうか。



そのためには、まず直角三角形の直角を底角にするように置き直します。
そして、中点から引くのではなく、直角の頂点から底辺と等しくなるように二等辺三角形を作ります。
そうすると、二等辺三角形が二つできる直角三角形の鋭角xは30度しかないことがわかります。
(一番左の図。一つしかない直角三角形は直角二等辺三角形です。)

では、3つの二等辺三角形を作るとどうなるでしょうか。
角度は、22.5度です。そして、直角二等辺三角形ができます。
最初の三角形には正三角形ができていますが、直角二等辺三角形はありません。

次は、4つの二等辺三角形を作ってみましょう。
どうでしょうか。
どちらもできていません。
ところが、5つの二等辺三角形を作ると、直角二等辺三角形も正三角形もできています。
これを表にしてみます。

 ax=90として
     a:3  4  5  6  7  8  9 10
     x:30 22.5  18  15     12.5 10  9  aが
直角二等辺△:   ○     ○     ○     ○ 2で割り切れる時
    正△:○        ○        ○    3で割り切れる時

どうやら、図の一番右の15度の直角三角形は特別な直角三角形のようです。
ここからいろいろな問題が作れそうですね。
面白そうなので、これらの直角三角形に「はしご直角三角形」と名前をつけてみました。

さらに「ユニークな二等辺三角形」と結びつけると、ax=180で統一できます。

 ax=180として
     a:3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
     x:60 45 36 30   22.5 20 18   15     12 12.5   10
直角二等辺△:  ○       ○       ○       ○
    正△:○     ○     ○     ○     ○     ○

これを見ると、
15・20・30・45・60度は大切な必然的な角度であることがわかります。
そして、これらの性質を使うと、次のような難しい問題も簡単に解けてしまいます。
ポイントは正三角形を作ることです。



○【中学生でも解ける!大学生でも解けない?問題】 ?の角度を求めてみよう。















[ヒント]


     「ユニークな二等辺三角形」のページ

     39、パズルから数学へ、数学からパズルへの誘いへ 

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